【パリ五輪】性別騒動ボクサー問題 IBAが声明「IOCに参加許可の理由の回答を求めるよう強く勧める」(スポニチアネックス)
◇パリ五輪第7日 ボクシング女子66キロ級(2024年8月1日) 2回戦第3試合が行われ、イマネ・ケリフ(アルジェリア)とアンジェラ・カリニ(イタリア)が対戦。開始わずか46秒でカリニが棄権し、ケリフが勝利した。この試合について世界中で議論が巻き起こる中、国際ボクシング協会(IBA)が1日深夜に声明を発表した。 ケリフは性別適格性検査に合格しなかったため昨年の世界選手権で失格となった過去があり、パリ五輪への出場が賛否を呼んでいる。 カリニとケリフは数回パンチを交わしただけで、カリニは立ち去って試合を放棄。棄権する直前にはパンチでずれたヘッドギアを締め直す場面もあった。カリニは判定が下された後、ケリフと握手せずリングにひざまづいて涙を見せた。 IBAは声明で「この時期に、リン・ユーティン選手とイマネ・ケリフ選手、特にパリオリンピック2024への参加に関する最近のメディアの声明に対応することが適切であると考えています」と説明。 続けて「IBAはリン・ユーティン選手とイマネ・ケリフ選手をIBA女子世界ボクシング選手権ニューデリー2023から失格としました。この失格は、IBA規則に定められている女子大会への参加資格基準を満たさなかったためです。綿密な検討の末に下されたこの決定は、大会の公平性と最大限の誠実さを維持するために極めて重要かつ必要でした。注目すべきは、選手たちはテストステロン検査を受けなかったが、別途公認の検査を受けており、詳細は秘密にされている点だ。この検査により、両選手が必須の資格基準を満たしておらず、他の女性選手よりも競争上の優位性があることが判明したことが明らかになった」と世界選手権での失格の経緯を記すとともに「他の女性選手よりも競争上の優位性があることが判明」と明記した。 さらに「2023年3月24日にIBAが下した決定は、その後2023年3月25日にIBA理事会によって承認された。この決定の公式記録は、IBAのウェブサイトのIBA理事会会議事録から閲覧できる。失格は、両選手に対して実施された以下の2つの検査に基づいている」とし、「2022年イスタンブールで開催されたIBA女子世界ボクシング選手権で実施された検査」「2023年ニューデリーで開催されたIBA女子世界ボクシング選手権で実施された検査」を基に失格としたと、IBAの決定の正当性を主張した。 そして、両選手がスポーツ仲裁裁判所(CAS)に上訴、または訴えを取り下げたためIBAの決定は法的拘束力を持つものとなったと説明。「IBAは引き続きすべてのイベントで競技の公平性を確保することに尽力しているが、オリンピックを監督する団体を含む他のスポーツ団体による資格基準の適用に一貫性がないことに懸念を表明する。IBAが関与していないこれらの問題に関するIOCの異なる規則は、競技の公平性と選手の安全性の両方について深刻な疑問を提起する。IOCが競技上の優位性を持つ選手に競技に参加することを許可している理由を明確にするために、関係者はIOCに直接回答を求めるよう強く勧める」と両選手の五輪参加を許可したIOCに対して、関係者が回答を求めることが必要だと主張した。
【パリ五輪】ボクシング性別騒動で国際協会がIOCに怒り「公平性と選手の安全に深刻な問題を引き起こしている」(スポーツ報知)
国際ボクシング協会(IBA)は日本時間2日までに、パリ五輪女子で起きている性別騒動についての声明を発表。「競技の公平性と選手の安全に深刻な問題を引き起こしている」と、国際オリンピック連盟(IOC)を批判した。 【写真】性別騒動の人物 試合相手は握手を拒否した 1日に行われたボクシング女子66キロ級2回戦で、昨年の世界選手権で性別適格性検査に合格しなかったイマネ・ケリフ(アルジェリア)が出場。相手のアンジェラ・カリニ(イタリア)がわずか46秒で棄権する事態となった。ケリフと、同様に不合格とされた女子57キロ級の林郁婷(台湾)の出場を巡っては、大会前から大きな議論を呼んでいた。 IBAは組織運営や不正判定の問題がくすぶり、23年6月にIOCから国際統括団体の承認取り消し処分を下された。世界選手権はIBAが開催したが、五輪は21年東京大会に続き競技実施に関与していない。そのため「五輪を含む他団体が実施する大会の参加基準にIBAは関与しておらず、IOCの異なる規定、一貫性のない出場資格の基準適用により、競技の公平性と選手の安全に深刻な問題を引き起こしている」と強く批判している。 IOCは声明の中で、IBAが設けた性別適格性検査そのものが正常なプロセスを踏んで設けられた規定ではなく、「2人は恣意的な決定の犠牲者」と擁護した。IBAはこの点にも反論し、規定は大会前に定められたものであり、公式な検査を行った結果、2選手が競技を行う上で女子選手より優位性が認められたと主張。「IBAが設定する女子大会の参加基準を満たしていなかった。決定は慎重に検討されて下されたもので、公平性を担保するのに重要なものだった」とし、理事会の承認も受けたと手続きの正当性も強調した。 さらに2選手が失格になった後、林はスポーツ仲裁裁判所(CAS)に訴えず、ケリフも1度はCASに控訴したが途中で取り下げたため、法的拘束力が発生しているとも主張。「IOCはなぜ競技上、優位性がある選手の出場を認めたのか。関係者はIOCに直接回答を求めるよう強く勧める」と、対立をあおるような文言で締めくくった。
報知新聞社
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